ドイツには、フランスやイタリア、中華、日本料理のようないわゆるカテゴリー上の『ドイツ料理』というものは存在しないようです。
それは、元来ドイツ人は伝統的に食事にそれ程大きな意味を見出してこなかったからと考えられます。しかし、ドイツ人の食生活にも特色はあり、パン・ソーセージ・ジャガイモに白ワインとビールは世界に誇る物です。

ドイツ人の食事
ドイツに限らず、ヨーロッパ諸国では一日の中で一番重要な食事を昼食に摂る習慣があり、
朝食や夕食は火を使わない簡単な食事で済ます事が多いようです。
 

朝食　Frühstück
典型的なドイツ人の朝食は、ブレートヒェンまたはゼンメルと呼ばれる小型の丸いパンに
バターとジャムを塗ったものと好みの飲み物。
ジャム作りは、ドイツ人主婦にとって重要な仕事の一つのようです。

＊ 映画　『戦場のピアニスト』　の後半でも、ドイツ人将校が主人公に黒パンと共に紙包み
一杯のジャムを差し入れるというシーンがありました。

昼食　Mittagessen
本来、昼食は家族全員で食べるのが習慣でしたが、最近ではこの習慣も壊れかけているようですし
毎日手の込んだ料理を作るわけではなく、週末に作った煮込み料理にジャガイモ料理を添えたりと
工夫をしているようです。
しかし、比較的簡単に済ませる場合でもデザートは必ず出されます。

お茶　Kaffee
ドイツ人女性は、料理よりケーキやクッキーを焼く事に時間を掛ける傾向にあるようで、特に週末の夕方
には知り合いを招き、コーヒーや紅茶と共に自慢のケーキやクッキーでもてなす事がドイツ人にとっての
重要なコミュニケーションとなっています。

夕食　Abendessen
基本的に火を使わず冷たい食事（kaltes Essen）と呼ばれています。
普通、スライスした黒パンやライ麦パンにバターを塗り、その上にスライスしたソーセージ
やハム、レバーペーストやチーズを乗せてナイフとフォークを使って食べます。
飲み物はビールかワイン、子供は炭酸入りミネラルウォーターかジュースです。