COMBAT RATION TASTE REPORT
戦闘糧食 試食レポート

 
軽食を含め、1日に5回は食事を摂ると言われるスペイン人。 日本人がその食生活に合わせると確実に胃薬のお世話にならなければいけないとまで言われるが、そのようなお国柄の戦闘糧食とは果たしてどのようなものなのでしょう。
 
最前線でもパスタを茹で、ワインと共に食事をするイタリア兵。戦闘中でもティータイムを取るイギリス兵。
そして、戦地で米を炊きその煙が元で部隊が全滅してしまった帝国陸軍等、戦時中の逸話は色々耳にしますが、食に対して並々ならぬこだわりがあるスペイン軍のエピソードはあまり聞こえてきません。
現代のスペイン軍戦闘糧食も、そのほとんど全てが軍仕様で王室の紋章が記されたもので、他国の戦闘糧食よりも重厚な雰囲気を醸し出しており、ある意味スペイン人の食に対する、いや、『戦闘糧食』と言う食に対するこだわりを見る感じがします。
1日5回の食事をする人種が、この戦闘糧食3個で1日を過ごすのはかなりのストレスになるのではないかと想像されますが、その内容はスペイン料理を基に限られた食品で前菜からデザートまでの食事を楽しめるように工夫されています。

 
スペイン料理の基本的な流れ
Priemer Plato  (プリメル プラト)   前菜、サラダ、米や野菜料理 等
Entremeses   (エントレメセス:前菜)           
Sopa       (ソパ:スープ)                
Segundo plato (セグンド プラト)   肉料理、魚介料理 等                         
Postre      (ポストレ:デザート)  ケーキ、フルーツ 等

 

Desayuno-Breakfast
スペインの朝食は、ココアやカフェオレにビスケットや甘い揚げパンなどで軽く済ませます。
戦闘糧食でもこの食習慣に則り、ココアかコンデンスミルク付きのコーヒーと甘味ビスケットというごく軽い朝食となっています。

       
BR−1      
     
BR−2      
       
BR−3      
BR−4 ビスケット
香ばしい香りとほんのり甘い味付けで、食が進む。甘いビスケットだが、コンデンスミルクと意外に相性が良い。 
BR−4 コンデンスミルク 
75gとたっぷりの量があり、朝食だけではとても消化し切れない。3食分でもこれの1/3の量で充分だ
BR−4 フルーツ&ハニーシリアル
コーンフレークに、押し麦やその他の穀物類、それにレーズンが入ったシリアル。ミュズリバーのシリアル編と言った味。
BR−4 ミルクチョコレート
柔らかく、口解けの良いとても美味しいチョコレート。ミルクのマイルドな風味も良い。ただ、口どけが良いだけに環境変化には弱そうだ。  
 
       
BR−5      
 

Comida-Lunch A
Aパックには、300gとやや大きめなミール缶とシーフード缶、それにジャムとインスタントスープが入っており、別支給のビスケットと共に食べるようになっています。
シーフード缶には,白マグロやカツオ等の他に、ヨーロッパではほとんど食べないイカなども含まれています。

     
A−1      
     
A−2      
−3 マドリード風シチュー
たっぷりのひよこ豆と肉を牛脂たっぷりのスープで煮込んだシチュー。ひよこ豆の他には、ベーコン、牛肉、チョリソが煮込まれている。味付けは、シンプルな塩味。
A−3 サバのオイル漬け缶
サバというよりは、ボソボソのシーチキンといった感じ。オイル漬けだが、塩気のほとんど無い水煮缶といった感じ。若干魚臭さが感じらる。
  
A−3 ピーチジャム
程よい甘味と酸味で、付属のビスケットに良く合う。クリームとは名ばかりで、実際にはピーチジャム。
 
A−3 粉末コンソメスープ
市販のコンソメスープと遜色無い味。
ただし、お湯の分量を間違えると悲惨な味になる。
 
     
A−4        
A−5 豚肉缶 (200g)
大きめな角切りの豚肉が200gぎっしり詰まっ
ている。赤っぽいソースで煮込まれているので
見た目はスパイシーな感じだが、辛味やくせ
は無く、塩味の効いた柔らかい肉。
 
 
A−5 カツオの田舎風サラダ (195g)
上部には、グリーンピース、ニンジン、ジャガイ
モ、ラッキョのような玉ネギがぎっしり詰まり、
その下にフレーク状のカツオが詰められている。味は、ほんのり酸味の効いたオリーブオイルと唐辛子のピリッとした辛味が良い味を出している。
A−5 洋ナシのジャム (25g)x2
甘味が強く、洋ナシの香りはほんのりとしか感
じられない。
しかし、甘味類はこのジャムだけなので、甘党
には貴重なもの。
 
 
A−5 チキンパスタスープ
お湯を注いだ時には、安物のインスタント食品
臭のような匂いが鼻につくが、粉末が完全に溶ける頃には気にならなくなる。
チキンスープに、小さいドーナツ状のパスタが
浮かんでいる。
 
 

Comida-Lunch B
Bパックは、ミール缶が190gとやや小型ながら4種類の缶詰が梱包されているのでそれなりにお腹は膨れます。メニューにはスペイン料理が基本で、シーフード缶にはタコなども含みます。

     
B−1      
     
B−2      
B−3 インゲンの缶詰
薄く塩味が付いており、ほんのりとガーリックの香りがする。
オリーブオイルに漬かっていて程よく酸味が効いる。 薄塩でさっぱりはしているのだが、中身がインゲンだけなのでさすがに味が単調でこれだけを食べるのはさすがに飽きる。
B−3 イカのオイル漬
小イカが丸ごと3匹入っている。缶を開けた時に若干イカの生臭みが気になったが、食べてみるとオリーブオイル漬ではあるが結構さっぱりしている。 薄塩とハーブで味付けされており、ふっくらした身の小イカはとても美味。
 
B−3 レバーパテ
ハーブと黒胡椒がよく効いており、レバー特有の臭みも少味にコクがありなかなか美味。
 
 
 
 
B−3 ピーチ缶
色が悪いが味は市販品の物と比べて遜色ない唯一の甘味食品だけに、さっぱりとした甘さが嬉しい。
 
 
 
 
B−4  ビーフのソース煮 
スープの色とは裏腹に、辛味もスパイスの味も
せず、塩気もほとんど無い自然な肉の味の料理。
B−4  サバの酢漬け
内部の酸化による為か、液漏れにより廃棄処分。
 
B−4  ペッパーのパテ
中身はレバーパテだが、ペッパーの味はほとんどしない。ややレバーの匂いが強めだが、臭過ぎる程でもなく、普通に食べられる。
B−4  洋ナシのシロップ漬け
色がやや黒ずみ、あまり食欲の出るものでは無い。食感は柔らかく、噛むと抵抗無く歯が通るが、梨特有のざらつき感は残っている。 
 
       
B−5      

 

PAN GALLETA
スペイン軍の戦闘糧食には、昼と夜用に1パックずつ計2パックのビスケットパックが別支給されます。
以前は長期保存用のパンが支給されていましたが、近年ビスケットに変更されました。
 PAN GALLETA  
特に味付けはしていないプレーンビスケットで、クラッカーと言った方が良いかも知れない 

 

 

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