COMBATRETION TASTE REPORT
1998 Mede Modulo B
試食レポート
イタリア料理は、フランス料理の基礎にもなったと言われるもので、現在でもイタリア在住のイタリア人は家でも外食でも食事はほとんどがイタリア料理と言われるほどイタリア料理に誇りを持っています。
また、食事の際にはワインを欠かさず殆どの場合、前菜ーメインーデザートと進んでいきます。
この、イタリア料理の構成を覚えておくと戦闘糧食を食べる際にも参考になるかもしれません。
 
Antipasto アンティパスト
フランス料理で言うところの「オードブル」。
アンティパストをそのまま約すと「食事の前」という意味になり、後に続くメインの料理にさわらない程度の量と味付け、食欲をそそらせる為に、見た目に彩りに華やかさをもたせたものが多い。生ハムやサラミの盛り合わせやカナッペ、マリネ類、野菜のグリ
ルカルパッチョなどをパンと一緒に軽く食べます。
 
Primopiatto プリモピアット
直訳すると「第一の皿」。スパゲティー類のパスタやリゾット、ミネストローネのような具沢山のスープのいずれかを食べます。
 
Secondopiatto セコンドピアット
直訳すると「第二の皿」。いわゆるメイン料理で、肉料理か魚料理のどちらかを食べます。
 
Dolce ドルチェ
デザート。ドルチェは『甘い物』の意味。
西洋料理では、メインの食事に砂糖を使ったような甘い物が殆ど無い為、デザートに甘い物を食べる習慣があります。

 
Breakfast
イタリア人はかなりの人達が朝食を摂る習慣が無いそうで、強いてあげると甘いデニッシュやラスクに濃いエスプレッソコーヒーというものが定番で、イタリア軍の戦闘糧食もその食生活習慣に則ったものなのか、昼や夜用の糧食から比べるとかなり簡素なものとなっています。
朝食の箱には沢山の物が詰まっていますが、実際に朝食として口に入るのは甘味の付いたビスケットに
ジャム、カプチーノと紅茶のみです。
 
甘味ビスケットは、ほんのりとした甘味とパリッとした歯ごたえで美味しいのですが、ピーチとアプリコットのジャムは甘味がきつく、味の違いが感じられませんでした。
インスタントカプチーノは、甘味が抑えられた上品な味です。たぶん、イタリア人はこれに砂糖を加えて思い切り甘くして飲むのでしょう。
Biscuit & Jam
左側が甘味ビスケット。右側はディナーパックに入っている塩味
のビスケット
Peach Jam
フルーツの香りはするものの、かなり甘味の強いジャムなので少量でも甘味が口の中で広がる
Apricot Jam
ピーチもアプリコットも香りに違いがあるだけで、味自体の違いは
甘さに負けて感じられない

 
Lunch
簡素な朝食に比べ、昼食はパスタに肉料理、そしてデザートまで付いた本格的なものとなっており、3食の中でも一番内容の充実したものです。
ちなみに、イタリアでは昼食を13時過ぎからゆっくり1時間以上掛けて摂るそうですが、果たして軍隊ではどのようになっているのでしょうか。
 
赤インゲンのパスタは、マカロニ状のショートパスタと赤インゲンのハーブと塩味の効いたスープパスタのようなものですが、塩味が濃いものの赤インゲンが良く煮込まれた日本人の味覚によく合う一品です。
七面鳥のゼリー寄せは、肉の繊維がしっかりとしており、噛み締める毎に肉の旨味が口に広がります。しかし、コンソメ風の味付けがされたゼリーの塩気が強く、210gを食べきるには少々時間が必要。
クラッカーには、薄い塩味が付けられているが少々湿気ており湿気たクラッカー独特の匂いが気になったのが残念。
ミックスフルーツ缶は、市販品の流用なので特筆すべき点はありまん。
Primopiatto           えんどう豆のパスタ 300g
塩味が強いものの、ハーブの香りが本格的なイタリア料理を感じさせてくれる。
パスタはアルデンテとはいかないが、しっかりした食感は残っており、金時豆と良く合っている。
 
Secondopiatto      七面鳥のゼリー寄せ  210g
本来、オードブルと考えがちな一品だが、この量を考えるとメイン料理と考えた方が無難だろう。
淡白な七面鳥のイメージは無く、しっかりした肉の繊維が感じられコンビーフのような食感。しかし、ゼリーの塩味が強すぎてパンか米が欲しくなる。
Dolce            ミックスフルーツ缶 225g
市販の缶詰を使っており、よくあるフルーツカクテル缶そのものの味。
世界各国の戦闘糧食に入っているフルーツ缶も、奇抜な味や風味は無く、安心して食べられる。
缶詰フルーツの味は世界共通のようだ。 
 

 
Dinner
ライスサラダ缶は、塩味とハーブの効いたおかゆ状の食べ物でいわゆる『リゾット』と言われる物ですが、レストランで食べるようなあっさり味ではなく、かなり塩気が強くなっています。
食感としては、米の粒がちょっとしっかりした中華粥を想像すると良いかも。
牛肉のゼリー寄せは、コンビーフ状の肉がミニハンバーグ状に丸く固められた物が4枚、これにブイヨンで味付けされたゼリーに合わせられているが、これも味はそこそこいけるものの塩味が濃く半分も食べるとかなり胸焼けしてきます。
エネルギーバーは、チョコレート風味のしっとりとしたもので、米軍の『HOOAH BAR』と似た食感ですが、こちらは甘味がかなり抑えられています。
Primopiatto            ライスサラダ缶 230g
『リゾット』と呼ばれるイタリア風雑炊のようなもので、日本と同様に本来は薄味に仕上げるものだが、そこは戦闘糧食、かなり塩分濃度が高くなっており、通常食べるには塩辛すぎるが味そのものはハーブと野菜の旨味が米とよく絡み美味しい。
Secondopiatto     牛肉のゼリー寄せ 190g
牛肉の塊が4枚入っているが、ミンチではなく肉の繊維をほぐして再び
固めたような状態になっている。強いて言えば、硬いコンビーフのような味と食感。しかし、ビーフブイヨンのゼリーと絡めてあるので味に深みはあるものの、これもかなり塩辛い。 
Dolce ドルチェ            エネルギーバー 60g
チョコレート味で、噛むと歯に付くような弾力のある柔らかさがあり、米軍の『HOOAH BAR』と似ているが、甘さはかなり控えめになっているので、それ程くせは無い。
 
  
メニューBの試食写真の1部はレーション本発行準備の為に当管理人と共に試食した M@THE戦闘糧食 氏の撮影によるものです

 

 

COMBATRETION TASTE REPORT
1998 Mede Modulo F
試食レポート

1998 Made     Modulo F              Breakfast Pack 1998 Made     Modulo F                   Lunch Pack 1998 Made     Modulo F                 Dinner Pack

 
CARNE BOVINA IN GELATINA
牛肉のゼリー寄せ
 
牛肉の缶詰ではあるが、日本のコンビーフ缶に近く
肉の繊維がほぐれていて、肉の塊という物ではない。 しかし、日本のコンビーフより肉の繊維はきめ細かく、味付けもあっさりした塩味でメニューBの肉缶のように塩辛くはない。
まわりのゼリーもコンソメ風の味付けがされており、
クラッカーなどとの相性も良い。
 
 
 
 
 
TONNO E FAGIOLI
ツナと豆の煮込み
 
白いんげん豆と親指大のツナが、オレンジ色のオリーブオイルベースのソースの中にぎっしり詰まっている。
白いんげん豆はしっかり煮込まれてはいるものの、
煮崩れてはおらず、しっかりとした豆の食感が残っており、噛むと豆の甘みが感じられる。
しかし、ツナは魚という感触が全く無く、まるで牛肉のような食感。 温めればツナの食感が戻ると思われるが、これはこれで美味しく食べられる。
ソースはほんのりとスパイシーな味付けだが、しつこくはなく、冷たいままで十分美味。
 
 
MINESTRONE DI VERDURE
野菜のミネストローネ
 
数種類の豆と細かく賽の目に切ったにんじん、ジャガイモがタイム等のハーブの効いたトマトスープと煮込まれている。
野菜のミネストローネという事で、肉が入っていないので、味付けはさっぱりしている。
しっかりとハーブの効いたトマトスープは、ほっと体の落ち着ける一品。
 
 
 
 
RAVIOLI AL RAGU
ラビオリのミートソース
 
小ぶりのラビオリが、ミートソースとはいうものの、どちらかと言えばスープの中にたっぷり入っている。
ラビオリは、中身がほぼペースト状の肉と玉ねぎ系の野菜で、パスタも煮込みすぎで溶けることも無く、
しっかりと弾力のある食感が残っている。
ソースはトマトベースだが、ミネストローネのようにしっかりとしたハーブの香りは無い。
 
 
 
 
 

 

 

 

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