現代のオーストラリアはダイナミックな多文化社会であり、その独特な自然環境の中で、社会および文化的な広い範囲にわたりさまざまな表情を表わします。オーストラリアの食文化も、そのような文化的背景をもとに育ってきました。 

オーストラリア料理は、多文化社会と世界に類のない豊富な食材の融合によって生まれ、新しくかつ刺激的な食文化の方向を示しています。それは、またヨーロッパの料理の伝統の上に世界最高の食材を使い、アジアのスパイスを効かせた最高の傑作と言えます。

１９７０年代や80年代に、当時の新しい料理方法が世界の注目を集めたように、現在、若いオーストラリアのシェフ達に、世界中から関心が寄せられています。刺激的で独創的なオーストラリア料理の登場は食品加工業や農水産物産業に新たな基準を設けることになりました。一流の料理を提供するには、最高の食材が必要であり、多くのレストランはそれらの食材が安定的に供給されることを求めるようになりました。

ここ２０年間オーストラリア人は世界の食べ物により関心を示すようになりました。一般的なオーストラリアの食卓に、同じように、パスタやリゾット、カレーやヌードル、ライス料理、そして、牛肉やラム、豚肉、鳥肉などを使った地中海料理も並ぶようになりました。同時に、環境問題に対する意識の高まりとともに、有機野菜や地鶏などの需要も増えています。

オーストラリアは長年、小麦と牛肉の供給国と見られていましたが、現在では肉類、果物、野菜、穀物、乳製品など、驚くほどの種類の食品類を世界各国に輸出しています。そして、また、豊富な農産物に付加価値を付けた加工品の割合も増えています。